動詞は「be動詞・一般動詞」の2種類があるのですが、その他にも「自動詞・他動詞」「動作動詞・状態動詞」に分類することができます。
また「動詞 + 副詞」や「動詞 + 副詞[名詞] + 前置詞」の固まりで1つの動詞のような働きをする「句動詞(または群動詞)」があります。
本記事では、「動詞」の用法について網羅的に解説するので、各用法の詳細はこちらの各章を参照してください。
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動詞とは?「be動詞」「一般動詞」の2種類がある
動詞とは、人や物・事に対して「行く、作る、読む、置く」などの動作や、「いる、ある」などの状態・存在を表し、「be動詞」と「一般動詞」の2種類があります。
それぞれのポイントとしては
- be動詞
- 「am」「are」「is」の3種類
- 人や物・事の「ある、いる」など存在、状態を表す
- 一般動詞
- 「go(行く), cook(作る), cut(切る), read(読む), put(置く)」など無数にある
- 人や物・事の動作を表す
となります。
また英語には「現在形」「過去形」「未来形」「進行形」「完了形」の時制があり、時制によって動詞が変化します。
時制 | 説明 | 語句 |
---|---|---|
現在形 | 現在を中心とした広がりを持った期間を表す。
グレッグはいつも午後6時ごろに会社を出る。
Greg usually leaves the office around 6 p.m. 「会社を出る」というのは今の一度限りの動作ではなく、習慣的動作を表す。 |
be動詞:am / are / is 「です」「ある、いる」
一般動詞:go, playなど「行く」「遊ぶ」 |
過去形 | 現在とかかわりのない、過去の動作・状態を表す。
グレッグは今夜、午後9時に会社を出た。
Greg left the office at 9 p.m. tonight. 動作や状態が10年前のことでも、今日のことであっても、それが現在という時点から切り離されていれば過去形で表す。 |
be動詞:was / were「でした」「あった、いた」
一般動詞 |
未来形 | ■ 助動詞will ・単純未来:自然の成り行きでそうなる ・意思未来:その場でそうしようと思いついたの未来を表す スーザンは来月、30歳になる。
Susan will be 30 years old next month. スーザンの意思に関わりなく自然の成り行きで、来月30歳になることを表す。 ■ be going to |
will / be going to 「〜するつもりだ」 「〜するだろう」 |
進行形 | その時点で進行中の動作を表す。
彼は裏庭で遊んでいる最中です。
He is playing in the backyard. 現在進行形、過去進行形、未来進行形があります。
|
be doing /will be doing「〜しているところだ」「〜している」 |
完了形 | 過去の出来事が現在に影響していることを表す。
私はルーシーとは10年来の知り合いだ。
I have known Lucy for 10 years. 過去にルーシーと知り合い、そして今も知り合いであることを表している。 |
have[has] done 「〜したところだ」「〜したことがある」「(ずっと)〜している」 |
be動詞とは?be動詞の用法と時制による変化
be動詞「am, are, is」は、「〜です」「〜がある、いる」などの状態・存在を表し、「現在形」「過去形」「未来形」「進行形」の時制、人称(単数・複数)によって変化します。
■ 人称によるbe動詞の変化
人称 | 単数 | 複数 | ||
---|---|---|---|---|
主語 | be動詞 | 主語 | be動詞 | |
1人称 | I(私は) | am | we(私たちは) | are |
2人称 | you(あなたは) | are | you(あなたたちは) | |
3人称 | he(彼は) she(彼女は) it(それは) |
is | they(彼、彼女、それらたちは) |
人称の詳細についてはこちら
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■ 時制によるbe動詞の変化
現在形 | 過去形 | 未来形 | 進行形 |
---|---|---|---|
am | was | be going to | be doing |
is | |||
are | were |
進行形には「現在進行形」「過去進行形」があるので、beは時制によって使い分けます。
He is busy every Sunday.
be動詞の現在形で、主語が「He」と3人称なのでbe動詞は「is」を使い「(現在)忙しい」ことを表します。
He was busy last Sunday.
be動詞の過去形で、主語が「He」と3人称なのでbe動詞は「was」を使い「(過去)忙しかった」ことを表します。
私たちは来年ブラジルを訪れるつもりです。
be going toを使った未来で、We are going to visitで具体的な計画はないけれども「ブラジルを訪れる予定」という未来を表しています。
I ambe動詞の現在形 cleaning現在分詞 my room.
be動詞の現在進行形で、主語が「I」と1人称なのでbe動詞は「am」を使い「am cleaning」の形にして、「掃除をしている最中」を表します。
I wasbe動詞の過去形 studying現在分詞 at the library.
be動詞の過去進行形で、主語が「I」と1人称なのでbe動詞は「was」を使い「was studying」の形にして、「(過去)勉強している最中だった」を表します。
Don’t call me tonight. I’ll be doing very important work then.
未来進行形は、will be doing と助動詞willを使って表し、今夜というのは未来の時点で、「仕事をしている最中」のことを表しています。
be動詞を使っていますが、助動詞を使ったら助動詞の文のルールで作るので、will be doingとbeはbe動詞の原型の形にします。
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一般動詞とは?一般動詞の用法と時制による変化
一般動詞はbe動詞以外の動詞で、「行く、買う、食べる、読む、走る」などの動作を表し、「現在形」「過去形」「未来形」「完了形」の時制によって変化します。
● 完了形の用法についてはこちら
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一般動詞の肯定文を作る時は「S + V」と動詞の部分を人称や時制によって変化させます。
一般動詞の否定文・疑問文を作る時は「do」を使い、否定文「S do[does, did] not + V」、疑問文「Do[Does, Did] + S + V」と動詞とdoの部分を時制や人称によって変化させます。
時制 | 動詞の変化 | 文の形と語順 |
---|---|---|
現在形 | 現在形の変化は、通常そのまま原型で使いますが、主語が3人称単数の時だけ異なります。
■ 通常 ■ 主語が3人称単数 |
■ 通常 否定文・疑問文を作る時は「do」が登場し動詞は原型にする 肯定文:S + 一般動詞の原型
否定文:S + do not + 一般動詞の原型 疑問文:Do + S + 一般動詞の原型 ■ 主語が3人称単数 肯定文:S + 一般動詞 + -s, -es
否定文:S + does not + 一般動詞の原型 疑問文:Does + S + 一般動詞の原型 |
過去形 | 過去形の変化には2種類あります。
■ 規則変化 ■ 不規則変化 |
■ 規則変化・不規則変化 文の形に変わりはなく、否定文・疑問文を作る時は「did」が登場し動詞は原型にする 肯定文:S + 一般動詞の過去形
否定文:S + did not + 一般動詞の原型 疑問文:Did + S + 一般動詞の原型 |
未来形 | 未来形は助動詞willを使って表すので、動詞は原型にします。 |
肯定文:S + will + 一般動詞の原型
否定文:S + will not + 一般動詞の原型 疑問文:Will + S + 一般動詞の原型 |
You know his name.
You don’t know his name.
Do you know his name?
いいえ、知りません。No, I don’t.
一般動詞の現在形で、肯定文の時は「know」を原型のまま使い「知っている」を表し、否定文の時はYou do not know = You don’t knowとdo notを使って否定を表し、「あなたは〜知りません」を表します。
また疑問文でDo you knowとDoを文頭に出して「あなたは〜知っていますか」を表し、応答は「do (don’t)」を使って答えます。
Bob lives in Canada.
Bob doesn’t live原型 in Canada.
Does Bob live原型 in Canada?
いいえ、住んでいません。 No, he doesn’t.
一般動詞の現在形かつ主語が3人称単数で、肯定文の時は「lives」と「-s」をつけて「住んでいる」を表し、否定文の時はBob doesn’t liveとdoes notを使って否定を表し、動詞は原型の「live」にして「住んでいない」ことを表します。
また疑問文でDoes Bob liveとDoesを文頭に出し、動詞は原型の「live」にして「住んでいますか」を表し、応答はボブについて聞かれているので、代名詞「he」を使って、he does (doesn’t)で答えます。
She spoke French well.
She didn’t speak原型 French well.
Did she speak原型 French well?
いいえ、話しませんでした。 No, she did not.
一般動詞の過去形で、肯定文の時は「speak」を過去形の「spoke」に変化させて「(過去)話した」ことを表し、否定文の時はShe didn’t speakとdid notを使って否定を表し、動詞は原型の「speak」にして「(過去)話してない」ことを表します。
また疑問文で、Did she speakとDidを文頭に出し、動詞は原型の「speak」にして「(過去)話しましたか」を表し、応答は彼女について聞かれているので、代名詞「she」を使ってshe did (not)で答えます。
He will come to the party tomorrow.
He will not come to the party tomorrow.
Will he come to the party tomorrow?
いいえ,来ないでしょう。No, he won’t.
一般動詞の未来形は、助動詞willを使って表すので、助動詞の文のルールで作ります。
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自動詞・他動詞とは?2つの違いと間違いやすいポイント
動詞はbe動詞、一般動詞の2種類に分類することができますが、その他にも「自動詞」と「他動詞」と分類することができます。
自動詞と他動詞の違いとしては
- 自動詞:目的語を取らない動詞(be動詞は自動詞に含まれます)
- 他動詞:目的語を取る動詞
となります。
ただし1つの動詞に対して、自動詞か他動詞か一方の用法しかないとか限らず、自動詞と他動詞どちらの用法を使える動詞もあります。
Tom smiled at Nancy.
動詞smileは自動詞なので、動詞の直後に目的語を取らず、前置詞の「at」がきています。
smile単体では「〜に微笑む」という意味が表せないので、「〜に」にあたる対象を示す必要があるので前置詞を使って表します。
日本語だけを見ると「〜を」「〜に」となっているので、つられて他動詞と混合しないように注意が必要です。
■ 他動詞と間違えやすい自動詞
- agree to A:A(提案など)に同意する
- apologize to A:A(人)に謝る
- complain to A:A(人)に不満を言う
- hope for A:Aを望む
- listen to A:Aを聞く、聴く
- object to A:Aに反対する
She kissed him gently.
動詞kissは他動詞で、単体で「〜にキスをする」という意味を表し、直後に目的語をとることができます。
The members have discussed the merits of opening a new local airport.
動詞discussは他動詞で、「〜について議論する」という意味を表します。※have discussedのように現在完了形が使われているが、これは過去から現在まで「議論してきた」ことを表す
日本語の「〜について」につられてdiscuss aboutとしないように注意が必要です。
■ 自動詞と間違えやすい他動詞
- 「〜に…する」型の他動詞
- answer:〜に答える
- approach:〜に近づく
- attend:〜に出席する
- enter:〜に入る
- reach:〜につく
- resemble:に似ている
- 「〜と…する」型の他動詞
- marry:〜と結婚する
- 「〜について…する」型の他動詞
- consider:〜についてよく考える
- discuss:〜について議論する
Tom ran to Taro.
My uncle runs several restaurants in Tokyo.
動詞ranには「走る」という意味の自動詞としての用法と、「〜経営する」という意味の他動詞の用法があります。
動作動詞・状態動詞とは?
動詞は、「be動詞・一般動詞」、「自動詞・他動詞」とそれぞれ2種類ずつに分類することができますが、その他にも「動作動詞」と「状態動詞」と分類することもできます。
動作動詞と状態動詞の大きな違いとしては、状態動詞は通例、進行形が作れないことです。
Emmy wrote a letter to her parents yesterday.
動作動詞は、動詞write(〜を書く)のように「〜する」を表します。
I have more than 300 cd’s
状態動詞は動詞have(〜を持っている)のように「〜している」を表します。
状態動詞の種類としては
- 一般に状態を表す動詞
- be:〜である
- contain:〜を含む
- consist of A:Aから成り立つ
- belong to A:Aに所属する
- remain:〜のままである
- 心理状態を表す動詞
- believe:〜を信じる
- forget:〜を忘れる
- hate:〜をひどく嫌う
- hope:〜を望む
- like:〜を好む
- remember:〜を覚えている
- 知覚に関する動詞
- feel:〜を感じる
- hear:〜が聞こえる
- see:〜が見える
- smell:〜の匂いがする
- taste:〜の味を感じる
などがあります。
句動詞とは?「動詞 + 副詞」「動詞 + 副詞[名詞] + 前置詞」固まりで動詞の働きをする
「動詞 + 副詞(on, off, out, up, downなど)」や「動詞 + 副詞[名詞] + 前置詞」の固まりで1つの動詞のような働きをするものを句動詞(または群動詞)といいます。
「動詞 + 副詞」型の句動詞
「動詞 + 副詞」型の句動詞の多くは、自動詞と他動詞の両方の用法があります。
動詞の目的語が名詞の場合の語順としては、「動詞 + 副詞 + 目的語」、「動詞 + 目的語 + 副詞」のどちらでも可能で、目的語が長い場合は、「動詞 + 副詞 + 目的語」の語順を取ることが多いです。
ただし目的語が代名詞の場合は「動詞 + 目的語 + 副詞」となります。
More than 8.5 million planes take off from airports in the U.S.A annually.
take offという固まりで「離陸する」という自動詞の意味を表したり、take off A (A[衣類など]を脱ぐ)という他動詞の用法もあります。
Mr. Thompson took over Sharon’s jobA after she left the company.
take over A(A[職務など] を引き継ぐ)で「シャロンの仕事を引き継ぐ」を表しています。
目的語のSharon’s job程度の長さであれば、took Sharon’s job overとしても良いです。
Please fill out the formA and turn it in at window No.5.
fill out A(Aに必要事項を記入する)で「用紙に必要事項を記入する」を表していて、続くturn in A(Aを提出する)で「それを提出する」を表しています。
2つの句動詞が使われていて、後者の「turn it in」では目的語が代名詞の「it」なので、turn in Aではなくturn A inの語順となります。
「動詞 + 副詞 + 前置詞」型の句動詞
「動詞 + 副詞[名詞] + 前置詞」で1つの他動詞のような働きをする句動詞もあります。
Stop talking and get on with that workA.
get on with A(A[仕事など]を続ける)で「その仕事を続ける」を表しています。※「A[人]と仲良くやっていく」という意味もある
またget onだけで「(バスなどに)乗る:成功する」という自動詞の用法もあります。
We paid a visit to a famous templeA on that occasion.
pay a visit to A(Aを訪ねる、訪問する)で「有名な寺を訪ねる」を表していて、visitは動詞ではなく「訪問」という意味の名詞で使われています。
「pay + 名詞 + 前置詞」型の句動詞としては、pay attention to A(Aに注意する、留意する)もよく使われます。
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