本記事では、代名詞の「指示代名詞」について解説します。
指示代名詞は、人や物・事などを指し示す語で「this これ」「that あれ」「such そのような」や複数を表す「these これら」「those あれら」などがあります。
使い方としては、目の前の商品を指差して「これ」や、遠くのものを視線で示して「あれ」など具体的な名前を出さずに伝えたり、「この名詞」や「あの名詞」など名詞を指定して使ったりします。
日本語の「”あれ”取って」、「”あの本”取って」や、「”これ”ください」「”この帽子”ください」のような使い方ができます。
指示代名詞 this・that:「これ」「あれ」と人や物・事を指し示す
指示代名詞の「this」「that」は「これ」や「あれ」などと指し示す人や物・事が単数の時に使います。
thisとthatの使い分けとしては
- this:近くにある人や物・事を指し示す
- that:遠くにある人や物・事を指し示す
と、自分と人や物・事の距離によって使い分けます。
どれくらいの距離の時にどちらをつかうのか?と言うと大筋としては「手を伸ばして届く範囲ならthis」、「手を伸ばして届かない範囲ならthat」と覚えておけば良さそうです。
thisやthatを主語で使う場合は、3人称単数なのでbe動詞は「is」を使い、一般動詞の現在形は「3単現のs」をつけます。
● 人称とbe動詞、一般動詞の変化についてはこちら


This is my hat.
主語である「これは」と近くの物を示すのに「This」1語を使って表しています。
That is a bus. = That’s a bus.
主語である「あれは」と遠くの物を示すのに「That」1語を使って表しています。※That is は That’sと短縮することができる
This is David.
人を表す時も「こちらは This」が使えて、もし遠い距離にいる場合は「あちらは That」とすることもできます。
「これ」「あれ」で覚えていると、人に使う時に物扱いして失礼じゃないかな?などと思うかも知れませんが、特にそういったことはなく、日常でよく使われます。
「これは/あれは〜ではありません」This is not 〜 / That is not 〜
thisやthatを使った否定文は、文のルールに従って作ればOKで、be動詞の文だったら「S + is not」だし一般動詞の文であれば「S + dose[did] not」が登場します。
This is an apple.
This is not an apple.
be動詞の文なので「This is not」として否定を表しています。
That is Tom’s mother.
That is not Tom’s mother.
be動詞の文なので「That is not」として否定を表しています。
「これは/あれは〜ですか」Is this 〜. Is that 〜.
thisやthatを使った疑問文は、文のルールに従って作ればOKで、be動詞の文だったら「Is + S」だし一般動詞の文であれば「dose[did] + S」が登場します。
that「あれは」やthis「これは」で聞かれた質問の応答をするときは「it それは」で答えます。
Is this my chair?
be動詞の文なので「Is this」として疑問を表しています。
Yes, it is.
No, it is not. = it’s not. = it isn’t.
thisを使った疑問文の応答は「it」を使って答えます。
Is that your cake?
be動詞の文なので「Is that」として疑問を表しています。
Yes, it is.
No, it is not. = it’s not. = it isn’t.
thatを使った疑問文の応答は「it」を使って答えます。
名詞とセットで使う指示代名詞:「この名詞」this + 名詞、「あの名詞」that + 名詞
thisやthatは1語で「これ、あれ」と表しますが、名詞とセットで使うことで「この名詞 this + 名詞」「あの名詞 that + 名詞」と表すことができます。
This house名詞 is new.形容詞
That flower名詞 is beautiful.形容詞
this + house で「この家」や、that + flowerで「あの花」を表していて、this、thatの使い分けは1語の時と変わりなしです。
名詞を入れ替えたり、形容詞を入れ替えればいろんなフレーズが作れるので覚えておきましょう!
● 名詞ってどんなもの?についてはこちら

● 形容詞ってどんなもの?についてはこちら

This is と Here is の違い
This is~.「これは~です」の意味に近い、Here is~.「ここに~があります/います」があります。
hereは副詞として「ここへ[で]」などと表しますが、名詞として「ここ」を表すこともできます。
This is と Here isの表現の違いとしては
- This is:近くにある人や物・事を指して、そのものや人が何かを説明する表現
- Here is:今ここにある人や物・事の存在を相手に指して、注目をさせようとする表現
となります。
ここに牛乳が少しあります→さあ,牛乳をどうぞの意味となる
ここに1枚のコインがあります→手品などで「見てください」と存在を強調するときなどに使う表現
ここに問題があります。=(さあ,)ここで問題です→授業中などに何かについて説明をした後,質問を投げかけ気を引こうとするときなどに使う表現
指示代名詞 these・those:「これら」「あれら」と複数の人や物・事を指し示す
指示代名詞の「these」「those」は「this」「that」の複数形で、「これら」や「あれら」などと指し示す人や物・事が複数の時に使います。
単数 | 複数 |
---|---|
this これは、この | these これらは、これらの |
that あれは、あの | those あれらは、あれらの |
theseとthoseの使い分けとしてはthisやthatと同じく、自分と人や物・事の距離によって使い分けます。
theseやthoseを主語で使う場合は、人称にかかわらずbe動詞は「are」を使い、続く名詞は複数形(-s, -esを付ける)にします。※一般動詞の変化は特になし
● 名詞を複数形にする方法はこちら

These are bags.
「これら」を表すのにtheseを使って、be動詞は「are」、続く名詞のbagは複数を表すので「bags」と複数形にします。
Those are my cars.
「あれら」を表すのにthoseを使って、be動詞は「are」、続く名詞のcarは複数を表すので「cars」と複数形にします。
These chairs are nice.
「これらの椅子」を表すのにthese chairsと、続く名詞のchairは複数を表すので「chairs」と複数形にし、be動詞は「are」を使います。
Those mountains are high.
「あれらの山」を表すのにthose mountainsと、続く名詞のmountainは複数を表すので「mountains」と複数形にし、be動詞は「are」を使います。
「これらは/あれらは〜ではありません。」these are not 〜. / those are not 〜.
theseやthoseを使った否定文は、文のルールに従って作ればOKで、be動詞の文だったら「S + are not」だし一般動詞の文であれば「S + do[did] not」が登場します。
These aren’t balls.
be動詞の文なので「These aren’t = are not」として否定を表しています。
Those cars aren’t new.
be動詞の文なので「Those cars aren’t = are not」として否定を表しています。
「これらは/あれらは〜ですか。」 Are these 〜. Are those 〜.
theseやthoseを使った疑問文は、文のルールに従って作ればOKで、be動詞の文だったら「are + S」だし一般動詞の文であれば「do[did] + S」が登場します。
these「あれらは」やthose「これらは」で聞かれた質問の応答をするときは「they それらは」で答えます。
Are those cars new?
be動詞の文なので「Are those」として疑問を表しています。
Yes, they are.
No, they aren’t.
thoseを使った疑問文の応答は「they」を使って答えます。
Are these balls?
be動詞の文なので「Are these」として疑問を表しています。
Yes, they are.
No, they aren’t.
theseを使った疑問文の応答は「they」を使って答えます。
「the + 名詞」の繰り返しを避ける「that」「those」の用法
thatやthoseは「あれ」「あれら」と遠くにある人や物・事を指し示す時に使われますが、他の用法として、文中に既に出た「the + 名詞」の繰り返しを避けるために使う用法もあります。
「the + 名詞」の繰り返しを避けるthatとthoseの用法の使い分けとしては
- that:the + 名詞の名詞が単数系の時に使う
- those:the + 名詞の名詞が複数形の時に使う
と、基本と同じで指し示すものが単数か複数かによって異なります。
The climate of Tokyo is milder than that of Hokkaido.
thatは前文に出てきた「the climate(気候)」を表していて、「that(the climate) of Hokkaido.」と「the + 名詞(単数系)」の繰り返しを避けるために使われています。
thatの後ろに続いている「of」にも注意が必要で、「the climate of Tokyo」と「that of Hokkaido」を対にするためにofが使われています。
The students in the U.S. are so different from those in Japan.
thoseは前文に出てきた「the students(学生)」を表していて、「those(the students) in Japan.」と「the + 名詞(複数形)」の繰り返しを避けるために使われています。
thoseの後ろに続いている「in」にも注意が必要で、「the students in the U.S.」と「those in Japan」を対にするためにinが使われています。
指示代名詞 such:「そのような」と人や物・事を指し示す
指示代名詞の「such」は、前出の名詞を受けて「そのような人[物]」を表します。
Mary is a lady. She expects to be treated as such.
suchは前出の名詞a ladyを受けている。また、suchには「非常に[とても]〜な」「そのような、そんな」という意味の形容詞の用法もある。
It was such a lovely day that we were feeling happy and cheerful.
such a lovely dayで「とても素晴らしい日」を表している。
この場合、修飾する名詞が加算名詞の単数なら「such a[an] + 形容詞 + 名詞」という語順になるので注意。
同じく「そのような、そんな」を表す場合も、名詞が加算名詞の単数なら「such a[an] + 名詞」という語順になる。
代名詞のsuchは前出の文の内容を受けることがある。
全文の内容を受けて Such being the case こういう事情なので という表現はよく使われるので覚えておきたい。
指示代名詞 the same:「同じ物[こと]」
代名詞のthe sameは「同じ物[こと]」を、形容詞のthe sameは「同じ」を表す。
いずれの場合も定冠詞のtheが必ずつくことに注意。
There is no good reason for paying women less than men if they do the same job.
the same jobで「同じ仕事」を表している。
We drove out of the village by the same road as we had entered by.
the same A as B Bと同じ という形で使われている。
the same A as BのBには、ここでの節 we had entered byのほかにも名詞・代名詞が入るこがある。
日本語から英文をつくってみよう
コメント