本記事では、代名詞の「不定代名詞」について解説します。
不定代名詞は、特定・不特定の人や物・事、一定ではない数量などを表す代名詞で、
- すでに出た名詞と同種だが不特定の人や物・事を表す:one
- すでに出た特定の名詞を表す:it
- 残りの1つを表す:the other
- 残りのどれか1つを表す:another
- 残りの全部を表す:the others
- 残りのどれか複数を表す:others
などがあるので、それぞれの意味と使い方を分かりやすく解説します。
不定代名詞 one:すでに出た名詞と同種だが不特定のものを表す
「one」は数字の「1」を表しますが、不定代名詞としての「one」の用法もあります。
不定代名詞oneは、名詞の繰り返しを避けるために、すでに出た名詞と同種だが不特定のものを指す時に使い、「a[an] + 単数名詞」をoneで表すことができます。
「a[an] + 単数名詞」というとこから分かる方もいるかもしれませんが、oneは可算名詞の単数系(数えられる名詞)の代わりに使うことができて、不可算名詞(数えられない名詞)の代わりに使うことはできません。
● 可算名詞と不可算名詞についてはこちら

不定代名詞oneは、分かりずらいので例文を交えて解説していきます。
Your car is very nice. I want one.
不定代名詞oneは、前の文に出てきた「car」を指していて、oneを用いらない場合は「I want a car.」となりますが、繰り返しを避けるために不定代名詞のoneを用いて「I want one.」と表します。
oneで代用している「a car」は、Your carと車は車で同種だけど、同じものではない不特定の車を指していることに注意しましょう。※Your carの車がトヨタだったら、oneで示している車は日産かもしれないし、マツダかもしれない。
これがもし、既出の名詞と同一のものを指しているのであれば、不定代名詞の「it」を使った用法になります。
Oh, it’s raining. Do you have an umbrella?
I have one. You can share it with me.
会話の中でもoneはよく使われていて、I have oneの「one」は、「Do you have an umbrella?」と聞かれたときの「an umbrella」を指しています。
傘は傘で同種ですが、あなたの傘と、私の傘は別物なので、「I have an umbrella.」を不定代名詞oneを使って、「I have one.」と表しています。
My PC broke down yesterday. I have to buy a new one.
不定代名詞oneには、修飾語を付けることもできて、「a new one( = a new PC)」と表すこともできます。
● 修飾語についてはこちらの「修飾語とは」を参照してください。

- one:2つ以上あるうちの1つを指すときに用いて、複数を受ける場合は “ones” となる。
- some:3つ以上あるうちのいくつか複数を指すときに用いる。
one of [the] A (Aのうちの1つ)
one of [the] Aは、「Aのうちの1つ」を表し、Aに入る名詞は必ず複数名詞が来ます。
She is one of the greatest Japanese actors.
俳優の1人を表すのに「one of the actors」とし、「greatest Japanese(最も偉大な日本の)」がactorsを修飾しています。
one of the actorsとactorが複数形の「actors」になっていることと、「greatest Japanese actors」と名詞を修飾できることを抑えておこう。
One of my sons lives in Canada.
私の息子の1人を表すのに「One of my sons」とし、主語になることもあります。
不定代名詞it:既に出た特定の名詞を表す
「it」は人称代名詞の「それ」を表しますが、不定代名詞としての「it」の用法もあります。
不定代名詞itは、名詞の繰り返しを避けるために、すでに出た特定の名詞を指す時に使い、「the + 単数名詞」をitで、「the + 複数名詞」の場合は「they」を使って表すことができます。
「すでに出た特定の名詞」と言うのがポイントで、これが不特定だと不定代名詞「one」を使います。
I cannot find my dictionary; someone must have hidden it.
itの前の節中にあるmy dictionaryを指していて、「it = the dictionary(その辞書)」を表しています。
I want to study abroad. but it is impossible.
itは、前に出た句や節の内容を指すこともできて、前出しているto study abroad(留学すること)を「it」で表している。
Look at the flowers over there. They are beautiful!
theyは前の節中にあるthe flowersを指していて、「they = the flowers(その花たち)」を表しています。
不定代名詞other・another:もう一方の人や物・事を表す
不定代名詞otherは、もう一方の不特定の人や物・事を表したり、theをつけて特定の人や物・事を表します。
それぞれと意味としては
- the other:特定の「もう一方[別]の1つの物・事、もう一方[別]の1人の人」
- the others:他に複数の人や物があるうちの特定の「もう一方[別]のすべての物・事、もう一方[別]のすべての人」
- others:他に複数の人や物があるうちの不特定の「もう一方[別]のいくつかの物・事、もう一方[別]のいくつかの人」
- another:他に複数の人や物・事があるうちの不特定の「もう一方[別]の1つの物・事、もう一方[別]の1人の人」
となります。
不定代名詞otherは、不特定のものを指したり、修飾したりなど、代名詞用法と形容詞用法があります。
文字だけだと難しいので図表を使ってそれぞれ解説していきます。
the other:特定のもう1つ
不定代名詞the otherは、特定の「もう一方[別]の1つの物・事、もう一方[別]の1人の人」を表します。
文字だけだと分かりずらいので図表で表すと
■:the other(全部で2つあるうちの、特定されたもう1つの人や物・事)
+ーーーー+
| ★■ |
+ーーーー+
のようになります。
特定されたもう1つというのは、2つの物があった場合、2つのものから1つ選ばれていたら、残りは1つなので、「特定された残り1つ」を意味します。
例を出すと、ケーキが2つあったとして、「1つは彼ので、残りのもう1つは彼女のもの。」と2つあることは分かった前提で、「1つは彼のもの」となった時点で、残りのケーキは1つなので、その残りは特定された1つです。
このような1つが特定される場合に「the other」を使います。
Hikaru has two brothers. one is in Tokyo and the other is in Fukuoka.
不定代名詞oneはbrothersの1人を表していて、兄弟が2人なので、1人は東京にいると出てきているので、残りのもう1人は、特定された1人なので不定代名詞「the other」を使っています。
There are two reasons for our decision, and you know one of them. Now I’ll tell you the other.
代名詞用法のotherで、「2つある理由のうちの(一つ以外の)もう一つ」を表しているので不定代名詞「the other」を使っています。
She wore a dress to the party that was far more attractive than other girls’.
形容詞用法のotherで、ここでは不特定のgirls'(dress)を修飾しているので無監視になっている。
the others:複数の人や物・事があるうちの特定のすべて
不定代名詞the othersは、他に複数の人や物があるうちの特定の「もう一方[別]のすべての物・事、もう一方[別]のすべての人」を表します。
文字だけだと分かりずらいので図表で表すと
■:the others(全部で10あるうちの、特定されたもう一方すべての人や物・事)
+ーーーーーーー+
| ★■■■■ |
| ■■■■■ |
+ーーーーーーー+
のようになります。
特定されたもう一方のすべてというのは、10個の物があった場合、10個のものから1つ選ばれていたら、残りは9個と特定されるので、この「残り9個すべての物」を表します。
例を出すと、ケーキが10個あったとして、「1つは彼ので、残りすべては彼女のもの。」と10個あることは分かった前提で、「1つは彼のもの」となった時点で、残りのケーキは9個と特定されます。残りすべては「特定されたケーキ9個」のこととなります。
このようにもう一方のすべてが特定される場合に「others」を使います。
My father has three cars. one is black and the others are white.
3台の車があることが分かった状態で、「1台は黒」、残り2台と特定された複数の別の色の車を表したいので「the others」を使っています。
others:複数の人や物・事があるうちの不特定のいくつか
不定代名詞othersは、他に複数の人や物があるうちの不特定の「もう一方[別]のいくつかの物・事、もう一方[別]のいくつかの人」を表します。
文字だけだと分かりずらいので図表で表すと
■:others(他に複数の人や物・事がある中の、どれでもいいけど(不特定)いくつか)
□:他の人や物・事
+ーーーーーーー+
| ★□■□□ |
| ■□□■□ |
+ーーーーーーー+
のようになります。
このように「others」は、他に複数の人や物・事があるという意味を含み、その中の(不特定の)いくつかの人や物・事ということから「複数」であることが分かります。
図表では■を3つ選択していますが、■を5つでも8つでも良いし、最初に選択された★以外の不特定の複数であればOKです。
★以外の全てであれば、特定されるので「the others」となり、1つであれば「an other」ではなく「another」となります。
You should be kind to others.
another:複数の人や物・事があるうちの不特定のもう1つ
不定代名詞anotherは、「an + other」から生まれた語で、他に複数の人や物があるうちの不特定の「もう一つ[別]の物・事、もう1人[別]の人」を表します。
文字だけだと分かりずらいので図表で表すと
■:another(他に複数の人や物・事がある中の、どれでもいいけど(不特定)1つ)
□:他の複数の人や物
+ーーーーーーー+
| ★□□□□ |
| □□□□■ |
+ーーーーーーー+
のようになります。
このように「another」は、他に複数の人や物・事があるという意味を含み、1つの人や物・事ということから「単数」であることが分かります。
図表では右下のものを■していますが、他の□と入れ替えても、最初に選択された★以外の1つの人や物・事であればどれでもOKで、「何かを特定しているわけではない」というのがポイントです。
Show me another.
代名詞用法で、どれでもいいけど「別のもう1つの物を見せて」を表すのに「another」を使っています。
Takeru finished one hot dog and bought another (hot dog).
代名詞用法で、もう1つ買ったを表すのに「another」を使っています。
I’ve already had one bad experience buying goods by mail order and I don’t want another.
またそんな経験はしたくないは、「もう一つのこと=もう一つの悪い経験」と表せるので「another」を使っています。
I’d like to go on another trip.
形容詞用法で「another」を使っていて、「名詞:trip(旅行)」を修飾して、他のどこでもいいけど(不特定)「もう一つ別の旅行」を表しています。
another、otherを使った重要表現
- each other、one another お互い(に)
- one after another 次々に
- A is one thing. B is another. AとBとは別のことだ
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